院長のブログ

TOP > 院長のブログ > 電子タバコ

電子タバコ

たばこが何故健康に悪いのか

日本では現在、飲食店では分煙が進み、路上喫煙には罰金が科せられるなど、喫煙者以外の人がたばこの煙を吸ってしまう「受動喫煙」を無くそうという動きが広がっています。たばこは、何故健康に悪いとされているのでしょうか。

増加するタバコの種類

日本で入手できるたばこには、大きく分けると4つの種類があります。

  • 紙巻たばこ:もっともポピュラーなたばこです。
  • 加熱式たばこ:たばこの葉を燃やして「煙」を吸うのではなく、加熱して発生する「蒸気」を吸い込むタイプ。
  • 電子たばこ:たばこの葉を使わず、カートリッジ内の液体(リキッド)を電子的に加熱し、その「蒸気」を吸い込むタイプです。日本での販売が許可されているのは、リキッド内にニコチンを含まないものです。
  • パイプ:パイプの中に詰めたたばこ葉を燃やすタイプです。

加熱式たばこと電子たばこは、周りの人からみればとてもよく似ていますが、この2つは加熱するものが違います。

加熱式タバコは「タバコ葉」を加熱しますので、従来からの紙巻きタバコと同様、その煙にはニコチンが含まれています。電子タバコは専用のカートリッジ内の液体を加熱しますが、日本で販売が許可されている液体カートリッジは、ニコチンが含まれていません。

そのため、「ニコチンが無いから安全だ」と、一般的には考えられています。しかし、個人で海外から専用カートリッジを購入した場合、ニコチンが含まれているものがあるため注意が必要です。

タバコによる体への影響

タバコが体に与える影響として、3つの要素が考えられています。

  1. 有害性:タバコ製品と煙に含まれる有害化学物質の存在
  2. 依存性:喫煙行為により依存性を伴う化学物質の存在
  3. 魅惑性:喫煙者を惹きつける化学物質及びたばこのデザイン

です。

1、有害性

タバコの有害性については、タバコに含まれる数々の有害物質が挙げられます。特に紙巻たばこは燃焼するだけで、多くの有害物質を含んだ煙を生じさせます。これらは、喫煙者本人だけではなく、周りの人の「受動喫煙による健康被害」を引き起こします。

2、依存性

タバコの依存性については、「ニコチン」が挙げられます。これはタバコへの依存性を高める物質であり、特に紙巻タバコは、ニコチンガムなどと比較するとニコチンの吸収が早いという特徴があります。喫煙後約5分で血液中のニコチン濃度が最大となります。ニコチン濃度は1~2時間経過すると半分くらいに減りるため、ニコチンに依存している人は、血液中の濃度を維持しようと断続的にタバコを吸うことになります。また、依存性を間接的に増加させる可能性がある成分として、メンソール、ココア、チョコレートが報告されています。メンソールのタバコは喫煙者の喉を刺激して爽快感を与えるため、タバコ本来の苦みやえぐみを感じにくくなり、より深く吸引することで依存につながります。

魅惑性

タバコ製品が喫煙者や将来的な喫煙者に魅力的なるよう、タバコ産業ではさまざまな添加物、製品の形状と使用法を工夫しています。現在、日本で販売されているたばこは、口当たりの良い味(フレーバー)のものや、食品や菓子にも使われている成分を添加しているものがあります。また、受動喫煙対策に対応するために、無煙たばこや電子器具と組み合わせることで視覚的に魅力的なデザインのたばこ製品を販売しています。

 

形状が変わっても、たばこには変わらない

一般的には、加熱式タバコや電子タバコは、従来の紙巻きタバコとは違い、臭いや煙が少ないから安全、と考える人もいます。しかし、加熱式タバコや電子タバコの安全性についての研究や検討がなされた結果、日本禁煙学会や日本呼吸器学会などから、緊急の提言が発信されています。

これによると、非燃焼・加熱式タバコや電子たばこのいずれにも、有害物質を噴出させる可能性が指摘されています。またこれらが出す煙(電子たばこはエアゾル)にも、ニコチンを含む有害物質が含まれており、紙巻たばこよりは若干少ないものの、喫煙者本人あるいは受動喫煙者の健康に被害を及ぼす可能性が高いとされています

タバコの影響により、がんや循環器の病気など、死につながる病気になる可能性が示されています。また、タバコを吸う本人だけではなく、周りの人の健康にも大きな影響を与える可能性があることが、タバコが健康に悪いとされる理由です。

2019.03.28 [ お仕事 ]

^